尿検査
尿ウロビリノーゲン
基準値 : ±(プラスマイナス)
ウロビリノーゲンとは、肝臓で作られるビリルビンという色素が、腸内細菌によって分解されてできる物質で、正常な尿からはわずかにウロビリノーゲンが検出されます。肝炎などで肝臓の働きが悪くなると、尿中のウロビリノーゲンの量が多くなり、ウロビリノーゲンは検出されない場合は、胆道閉塞などが疑われます。
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高値(+以上)
肝障害
溶血性貧血
など -
低値(-)
総胆管閉塞 など
尿ケトン体
基準値 : -(マイナス)
ケトン体の主な役割は生命の維持に欠かせない心臓や腎臓などの各種臓器のエネルギー源としての働きです。しかし、筋肉や腎臓での処理能力を超えた場合は、血中や尿中に出るため血中ケトン体や尿中ケトン体が増加します。糖代謝異常や糖の摂取・利用障害の有無を調べるのに利用されます。
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高値(+以上)
糖尿病
脱水
絶食
など -
低値(-)
とくになし
尿潜血
基準値 : -(マイナス)
尿潜血とは、尿に血液が混じっている状態で、腎臓や尿路(尿管や膀胱・尿道口)から出血している場合に検出されます。尿潜血反応が見られた場合には、腎臓や尿管・膀胱などの病気が疑われます。尿検査は、疲労・体調不良・食事にも影響されます。女性は月経の時期は避けて下さい。
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高値(+以上)
膀胱炎
腎疾患
尿路疾患
など -
低値(-)
とくになし
尿蛋白
基準値 : -(マイナス)
正常な尿には蛋白質が出ることはありませんが、腎臓の働きが悪くなると身体に必要な成分である蛋白質が、腎臓で再吸収されずに尿に混ざって出てきます。
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高値(+以上)
腎炎
糖尿病性腎症
など -
低値(-)
とくになし
尿沈渣
基準値 : 成分の数に左右される為、報告書の判定を見て下さい。
尿を遠心分離機にかけ、沈殿した物質を調べる検査です。顕微鏡で観察すると、きれいな尿でも病的な沈殿物がみられたり、濁っていても正常な成分しか見られなかったりします。何らか成分が多く見られたときには、様々な病気を疑います。
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成分により、疑うものの例
- 赤血球
- :腎盂腎炎、急性糸球体腎炎、膀胱炎、尿道炎、腎腫瘍、腎結石など
- 白血球
- :腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎など
- 上皮細胞
- :細菌、トリコモナス原虫による尿道炎、尿道結石症など(女性の場合、扁平上皮細胞は健康であっても多くみられることがあります)
- 細菌
- :腎盂腎炎、膀胱炎など
尿糖
基準値 : -(マイナス)
正常な尿に出ることはありませんが、腎臓の機能が低下している場合や、血中の糖が腎臓の処理機能を超えて高い場合は尿に糖が出てきます。尿糖が検出された場合は、糖尿病の可能性があります。
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高値(+以上)
糖尿病
など -
低値(-)
とくになし
尿pH
基準値 : 4.8~7.5
尿が酸性かアルカリ性かを調べる検査です。通常は、弱酸性(6.0前後)ですが、激しい運動後は酸性に傾いたり、食べ物でも変わり、生活習慣によって大きく変動します。低値ほど酸性に近づき、高値になるほどアルカリ性になり、様々な疾患が疑われます。
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高値(+以上)
尿路感染
腎不全
など -
低値(-)
腎炎
糖尿病
脱水
など
便検査
便検査
基準値 : -(マイナス)
糞便に血液が含まれているかを調べる検査です。潜血反応が高値(+)になった時は、どんな疾患により血液反応が含まれているのかを、詳しい検査を行う必要があります。しかし、血液が含まれていたからといって、大腸がんであるとも限りませんので、精密検査を行って下さい。
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高値(+以上)
大腸がん
大腸潰瘍
大腸ポリープ
痔核 など -
低値(-)
とくになし