パーキンソン病外来の
ご案内
当院パーキンソン病外来の特色
当院のパーキンソン病外来では、パーキンソン病の早期から進行期にかけての薬物療法、病初期から必要なエクササイズ指導、進行期の外科的治療(脳深部刺激療法:DBS)の適応判断などのすべてを行います。
適切な薬物治療と運動療法を受けることによって「年齢相応の自立度の高い生活を送り、健康寿命を延長する」ことが社会的なニーズとなっており、当外来は「患者さん・ご家族の自立」を支援します。
尚、担当医は北米での臨床経験もあり英語での診療も十分に可能ですので、英語圏の方も安心して診療を受けてください。
診察
火曜日午後・予約制です。
当院パーキンソン病外来受診をご希望の方は、予約受付 044-987-1311 へお電話をください。
現在他院にパーキンソン病でおかかりの方は、可能な限り、現在の主治医からの「情報提供書」と核医学検査を受けられている場合は「画像データ」を外来初診予約日に持参してください。
担当医紹介
髙橋 裕秀(2024年4月から現職)
- ・1982年 米国ECFMG試験合格、昭和大学医学部卒業。
- ・昭和大学藤が丘病院、東海大学医学部付属病院、東京都立神経病院などに勤務。
- ・1990-1992年 カナダ British Columbia大学Movement Disorder Clinic (Donald B. Calne 教授に師事) に留学し、パーキンソン病診療と臨床研究に従事
診療の進め方
パーキンソン病は、高血圧や糖尿病と同様、一生付き合っていかなければいけない慢性病の一つです。慢性病と上手く付き合っていくためには、ご自身の病気について、そして、さまざまな治療方法について自己学習をすることが非常に大切になります。下記に概説しますので診療を受ける前にお読みいただき、ご家族とも学んだ情報を共有していただきたいと思います。
- パーキンソン病とは (252KB)
- 薬物療法 (395KB)
- 運動療法・エクササイズ (397KB)
- 外科的治療 (247KB)
- 病状の進行 (215KB)
- Lドパ(レボドパ)の薬効減弱への対処法 (239KB)
- Lドパ薬効時間の短縮(ウエアリング・オフ現象)の対処法 (228KB)
- Lドパ誘発性不随意運動(ジスキネジア)の対処法 (216KB)
- 薬剤性「幻視」の対処法 (199KB)
- 七転び八起きでなく「ゼロ転び」(2020年11月パーキンソン病友の会東京支部会報誌138号一部削除) (433KB)
- Q&A PD患者・家族の自立支援 (376KB)
診察前の準備
適切な治療を受けるためには、「医療従事者へ正確に情報を伝える」ことがとても重要です。
初診の場合
- いつから?どのような症状が?体のどこに現れたのか?
- その症状は、悪化しているのか?
- 日常生活あるいは仕事で、どのような支障が生じているのか?
- この症状に対して、他のクリニックや病院でどのような治療(薬の名前と量)を受け、どのような効果があったのか?副作用は出たのか?(薬については[薬品名]もしくは[薬局でもらった説明書]を提示しながら診察を受けることをお勧めしています。)
- どのような検査を受け、その結果はどうだったのか?前医からは、どのような説明を受けたのか?
など「病歴」「検査歴」「薬歴」について簡潔に医療従事者・医師へ伝えることが必要です。上手く説明できない方は、「メモに記載」して持参するのも良い案です。
現在の症状を把握するためには、別記の『MASAC-PD31』や『症状日誌』などの「補助ツール」に記入し、持参していただけると効率よく適切な診療を受けることができます。
補助ツールの紹介:
補助ツールのダウンロード:
MASAC-PD31 (817KB)
症状日誌 (1,421KB)
再診の場合
- 前回の受診後、今回の受診まで間に、
- どのように症状が変化したか?
- 新しい副作用がでたのか?
- 副作用があった場合、副作用の程度は変わったのか? 持続時間に変化があったのか?
- 新たな問題点が出現したのか?
などについて、簡潔に医師に伝えることが重要です。
勘違いを未然に防ぐためには、薬については[薬品名]もしくは[薬局でもらった説明書]を提示しながら診察を受けることをお薦めしています。
診察を進めてゆく中で有効な補助ツールの紹介
的確な治療戦略を組む際には、まず患者さんの持つ問題点を十分に把握しなければなりません。日本では短時間で多くの患者さんの診療を行わなければならず、効率よく患者さんの持つ問題点を把握する必要があります。
当パーキンソン病外来では、診療補助ツールを積極的に活用しています。これらは、患者さんが自己記入する「自己評価ツール(MASAC-PD31)」や「症状日誌(ノバルティス社)」であり、特に前者では、姿勢異常、歩行異常、ふるえなどの運動症状に加え、便秘、睡眠障害など運動障害に間接的に影響する非運動症状についても評価できるスケールとなっております。
・MASAC-PD31の表紙 および その評価項目(症状)
・症状日誌の記入例
※それぞれ記入し、外来受診時に持参してください。
これらは、患者さんが自分の状態を記入することによって、自分の症状を把握し見直すことができ、また正確な情報(症状や経過)を医師に伝えることによって、患者さん自身がより適切な治療を受けられるようになります。自己記入が困難な場合は、ご家族に記入してもらっても構いません。
<関連論文>
パーキンソン病症状の新しい包括的自記式質問票 (MASAC-PD31)の開発・評価
臨床神経 2011;51:321-329 論文の掲載はこちらをご覧ください。